子供の矯正治療
大人と子供の矯正の違い
大人の矯正は、全ての歯が乳歯から永久歯に交換後の方を対象としています。
主に固定式の矯正装置を使用し、1つ1つの歯をコントロールすることで並べていくのです。子供と違い、顎の大きさを変える事ができないので場合によっては歯を抜いてスペースを作る事により、矯正を完了させて行くのです。
子供の矯正は、これから顎の発達が期待できる成長期のお子様を対象としています。
主に取り外し式の矯正器具を使用し、顎の成長を促進させたり、抑制したりして発育をコントロールするのです。これにより歯を抜かなくても、矯正治療が完了することがあります。
顎の成長と矯正を始める時期
最近のお子さんは、特に上顎の成長が弱いお子さんが増えています。
- 上顎の成長は6歳がピーク、12歳位で終了します。
- 下顎の成長は13歳がピーク、15歳位で終了します。
上顎の成長が前後的に弱い(劣成長)場合、反対噛み(受け口)が生じます。
上顎の成長が横幅的に弱い(劣成長)場合、上顎の歯並びが三角形になり、下顎が引っかかってしまい前に成長する事が出来ませんので、出っ歯(下顎の後退)を生じます。
矯正治療というと中学生位から始めるのが一般的ですが、中学生になると上顎の骨の成長はほとんど完了しています。上顎の骨の成長の残っている時期(6歳〜10歳)に矯正治療を開始することで、自然な歯と顎のバランスを獲得しましょう。
子供の矯正のメリット、デメリット
子供の矯正のメリット
- 成長を利用し、歯が並ぶ土台の骨をしっかりと作ることや、顎の成長のコントロールすることが出来る。
- 癖を無くすことにより、機能的な調和を得る事が出来る。(大きくなると癖を直すのは困難)
子供の矯正のデメリット
- 成長を利用するので、成長が終わるまで定期的な観察が必要になる。(治療期間が長くなる)
治療期間
子供の矯正を開始する理想的な時期の目安は、前歯が生え変わった時期です。(6~8歳くらい)
子供の矯正治療の終了の目安は、永久歯が生えそろい、あごの成長が終わる時期です。この時期までは、あごの成長により噛み合わせや、歯並びが変化します。あごの成長がある程度終わるまでは、様子を見る期間がどうしても必要になります。
- 症例と協力度によって期間は、かなりばらつきます
- 保定期間(治療期間と同程度)が必要です。大人の矯正が必要になる可能性もあります
成功の秘訣
取りはずしのできる装置を使用する場合の多い子供の矯正は、お子さんが外していると効果がありません。また歯とアゴの位置関係だけでなく、舌や口の周りの筋肉のバランスを改善する必要がある場合は、奥歯で良く噛む事や、口をぽかんと開けないようしっかり閉じさせる事が必要となります。
このようにお子さんが本来の歯並びや噛み合わせを手に入れるためには、お子さん一人に任せるにではなく、保護者や周囲の方の協力が欠かせないのです。