みなさんTooth wearってご存じですか?
実は生活習慣病の一つで、虫歯や歯周病と並ぶ身近な歯の病気として近年注目されてきているのです。
これは虫歯などと違い細菌が全く関与しない歯の疾患で日頃の食生活などによって起こり得ます。
主な症状としては歯がすり減る、歯が溶ける、などにより歯がしみる様になることです。
ではなぜ歯が溶けるのか?今回はその原因と仕組みについて少しお話しましょう。
歯が経年的変化で食べるものなどによりすり減っていくイメージは皆さん容易に持っていただけるとはおもいますが、歯が溶けるのはなぜか?イメージ湧きますでしょうか?
それはお口の中で一定時間以上、酸性の状態が続くと歯が耐えられる限界pH(5.5)を超えてしまうからで、その結果歯が溶けてくるのです。
本来お口の中は唾液などによって酸が中和される緩衝作用がありますが、一日に何度も間食を食べたり、酸性のドリンク(黒酢やスポーツドリンク、赤ワイン)を習慣的に飲んだり、サプリメントでビタミン剤などを常用している方は中和できる範囲を超えてお口の中が酸性に傾いてしまいます。
その他に、プラークコントロールが悪い方(磨き残しが多い方)や舌にたくさん汚れ(舌苔)がついている方、もちろん唾液の量が少ないドライマウスの方もお口の中が酸性になりやすく、歯が溶けてしまう可能性が高くなるのです。
治療の一環として、嗜好品や習慣を変えていただくのも容易なことではありませんし、歯科医院でシミ止めを定期的に塗っていただいても解決にはいたりません。とはいっても歯がしみるのも耐え難いです。
しかし、冒頭にも申し上げたようにTooth wearは生活習慣病なので、その原因を見つけ、しっかりと対応していけば、ゆっくりではありますが必ず改善していくのです。
当院ではたくさんある原因の中から患者様のしみる原因を一緒にみつけ的確な対応をさせていただけるよう心掛けております。