さて、今回は5つの検査の内、残りの2つです。前回までの視覚的な検査とは違い、目に見えない細菌や身体の中の反応が歯周病よってどのような状態となっているのかがわかる検査です。
「歯周細菌検査」と「血液検査」についてみていきましょう。
<歯周細菌検査>
この検査は歯周病の原因となる菌の種類や数を特定する場合に使用します。歯周病は細菌感染症ですが、結核などの感染症とは違い、一つの菌の感染によるものではありません。ですから、「歯周病」と一概に言ってもどのような菌が主な原因となっているケースなのか一目ではわかりません。細菌検査で原因菌をつきとめることにより、現在のステージ(軽度、中等度、重度)が一層明確となり、効率よく治療を進めることができます。
お口の中から唾液などを採取することで、簡単に行える検査です。徹底した歯周治療希望される方には必要な検査です。
僕は歯周病治療を始める前や治療途中だけでなく、定期健診時にも行うことで菌の動きが把握でき、より歯周病の維持・管理が徹底できるのでお勧めです。
<血液検査>
細菌感染症である、歯周病の原因菌が歯茎の毛細血管から体内へ侵入すると、それを排除するために、身体の免疫反応として抗体が生産されます。したがって、この生産された抗体の量を血液検査で測定すれば、原因菌の感染度合を把握できるのです。それが「血液検査」なのです。
「歯周細菌検査」と合わせて行うことで、口腔内の歯周病菌の量、種類とその菌による全身へ及ぼす影響の関係を調べることができ、歯周治療に役たてることができるのです。
この検査も定期的におこなうことで、歯周病の管理に有効なので、治療の前後だけでなく定期健診時にも受けられることをお勧めします。